自分を愛しすぎなくても良い(2019.6.2)
この相談サービス(カウンセリング)を始めていろんな種類(きっかけや内容)のお悩みごとをお聞きしましたが、
「自分が好きになれない」「自分に原因があるのでは」
「自分は人の役に立てないのではないか」
など自己嫌悪や自己犠牲の思考に陥るケースは少なくありません。
ネットでも多くのお悩み相談の情報が発信されてますがその対応として
「自分を好きになること」「自分を認めること」
などの“自己肯定”的な考え方になることを薦めることが多くみられます。
それを否定するつもりはまったくありませんし、過去の投稿でも「“他人との比較”をしないことが悩みを作らない一番の方法」とも申し上げてきましたので、むしろそのためにも必要な考え方だと思います。
とはいえ、大半の方が
「そうは言っても・・・」「思い込もうとしても変わらない・・・」
と、悩み続けているのではないでしょうか?
また、悩みなんかまったく無さそうで「自分が大好き!」と言ってる人をうらやましく思うかもしれませんが、おそらくすべてにおいて好きだと思えてるかと言うとそうではないと思います。
冷静になってよーく考えてみてください。
すぐに自分を責める気持ちになる人も、それって「自分を守るため」だとは思いませんか?
トラブルを回避するためには自分が悪いと思えば済む、
と、悩みが増幅してしまうトラブルから自分を遠ざけてあげたい、という気持ちがあるからですよね?
すべての人はすでに自動的に「自分を愛する」ように出来ているのです。
だから何かあれば自分を情けなく思ったり悔しく感じたり、人からひどいことを言われたらカーッとなったり、すべては無意識に「自分を守ろう」とカラダが反発しているのです。
わざわざ心で思うことを努力しなくても自然と愛しているのです。
気持ちだけでなくカラダも同じで、ケガをしたり病気になると自ら治そうとしますね(⇒自然治癒)。
悩みを持つ人が解決方法を本やネットで探すと自己啓発系の情報にたどり着くと思います。
自分を愛せないと自分は変われない、などと書かれていることも多いですが、無理に自分を愛そうとか思わなくても既に愛してますのでこれ以上愛しすぎても仕方ありません。
禅のことばに「吾唯知足」(われ、ただ、たるを知る)というのがあります。
「必要なものは、もうすべて足りている」という意味です。
(英訳するなら All you need, you already have といったところでしょうか)
このことばを見た今、ちょっとだけ気持ちを留めて考えてみてください。
生きていくためには現状でこと足りている、とは思いませんか?
お金さえあれば何でも揃い、収入が高いことが幸せ、モノがあふれるほどあることが幸せ、無理を言えば誰かがやってくれる、ちょっとしたガマンもせずに生きられる現代では、「更にもっと」という心が成長してしまい、なかなか満足出来ないかもしれませんが、人それぞれのこと足りた状況にあると思います。
自分に対する愛情も同様です。
なにごとも過剰は劣化のもとになるだけだと思うのです。